優しくないっ、優しさを感じない!
「なんでなの?」
『ん?』
「なんで進藤…なんか優しいよ?」
『それが何?』
「いや何って…だってさ、あれだけあたしに優しくしないって言ってたのに…」
『それ、昨日も同じ事話した記憶があるんだけど』
「は、話したかもしれないけどさっ、でもなんか頭が一杯になっててよく分かんなかったってゆーか…と、とにかく!もうなんか不思議過ぎて変なんだよ!おかしいって!」
『何も可笑しくないよ。あぁ、それとも何?俺に冷たくされたかった?』
「ち、違っ、そうじゃなくて!その、何てゆーか…」
もちろん優しくされたくない訳ではない。断じて冷たくされたいなんて思ってない。でもやっぱり進藤に優しくされるのはなんかこう、違和感があるってゆーか、素直に受け止めにくいってゆーか…だってさ、急じゃん。そう急だよ、なんかいつの間にかルールが変わってたみたいな、そんな感じが…
『電話』
「…え?」
『電話、かけてきただろ?』
「う、うん」
『それって俺を頼ってきたって事だよね?』
「う…うん」
『だからそれに応えたんだよ。おまえが言ったんだろ?俺の事なんて信用出来ないって』
「……」