優しくないっ、優しさを感じない!
…この落ち着かない気持ちは何?
それからというもの、なんだか毎日ソワソワ、ドキドキしている。
それはあの日から毎日毎日繰り返されて、頭の中ではいっこうに消える気配の無いあの宣誓する後ろ姿に、あの日の目の前が開けるような感覚。それを思い出す度にあたしはなんだか熱い気持ちが胸にボッとやってくる。
ーーあぁ、もうダメだ!耐えられない!
そしてついに、中村 コウスケを近くで見かけた時だった。
『宣誓!すごかった!』
もうどうしても言いたい!と、教室から飛び出したあたしはその勢いのままに唐突に声を掛けてしまった。
するとやっぱりというか当然というか、一度も同じクラスになったことが無かった中村 コウスケからはキョトンとした顔を返されて、そしたらそのうち中村 コウスケは怪しげな目であたしを見始めて…
『い、いや、本当に本当に!あたし、なんかすごいビックリした!初めてだった!だからそれをどうしても伝えようと思って、だからその…うん、本当すごかった!すごく良かった!』