優しくないっ、優しさを感じない！

確かに、あたしは行為は横暴だった。なんかもう悲しいんだか虚しいんだかでいっぱいだったってのもあるんだけど、でも無理矢理乗らせなかったのに活き活きと自分の話を聞かせようとしてたあたしって…進藤の事言えないなぁ、まったく。


「…じゃあ分かったよ。今日は諦めてまたにするよ、もうこんな時間だし…」

『いや、もう逆に言いなって、ここまで話したんだし』

「…え？」


すると聞こえてきたのは、クスリと小さな笑い声。


『まぁ分かってて出たとこもあるし、もういいよ。それに俺に聞いて欲しかったんでしょ？』

「……」


仕方ないなぁ、なんて意味合いを込めながらも…なんだか優しげなその声。


進藤に、聞いて欲しかった…か。


「…うん、そう」


…そう口では頷きながらも、あたしはあれ？と、疑問を抱いていた。


ーーなんであたし、進藤に電話したんだろう。


もちろん、この結果を教えなきゃとは思ってたし、聞いて貰いたいとも思ってた。嬉しい気持ちが溢れて眠れなくって、だからそれに後押されてというか、むしろ衝動的にかけてしまっていた訳だけど…でも、なんていうか…


「聞いて欲しい…とは、思ってたんだけど…正しいんだけどでも…なんか違うって言うか…」

『？、何が？』

「…なんだろ…なんかね、当たり前になってる、みたいな」

『…当たり前？』