優しくないっ、優しさを感じない!


そう。それは進藤に電話をかける事…というか、進藤に、話す事。聞いて貰うと、いう事。


「なんか進藤に話すのが当たり前になってて、聞いて欲しいとかそんなの全部飛び越えて…あたしさ、考える前に電話してた。時間とかそんなのも関係ないくらい」

『……』

「今言われて驚いたよ。あぁそっか、聞いて欲しかったんだなって思った。報告しなきゃとか、話したいとか、なんかいっぱいあるけど多分、一番は聞いて欲しくって電話したんだね。考える余地もなく進藤にかけてたよ」

『……』

「あはは!なんか思えば今までずっとそうだね。進藤にはずっと聞いて貰ってきたや、悩みとかなんか、そんな感じの。だから解決してこられたのかもね、ありがたいなぁ」

『……』


今思えば、今のあたしがあたしでいられるのは進藤のおかげだったのかもしれない。何かあるたびに進藤に話してた。進藤は聞いてくれてた。それをこの間進藤は、私の事を心配して、自分の意思でしてくれてたんだって言ってくれた。


「…進藤、ありがとう。あたし、進藤とも出会えてよかった。優しかったり優しくなかったりよく分かんないけどさ、でも…あたしは進藤と仲良くなれたなぁって思うから、ほんと仲良くなれて…よかったな」

『……』

「進藤のおかげって、思うから。今のあたしは、進藤のおかげ。進藤が話を聞いてくれたおかげだね。ほんと、進藤には感謝してる」

『……』

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