優しくないっ、優しさを感じない!
なんだか鋭く、突き刺すように進藤から問われた事の意味。それがあたしには…さっぱり、 分からない。
なんで必要?なんでって…必要だって事に、理由なんているの?
「だって、友達じゃん。あたしにとって友達は大切な存在だよ、なんで必要とかそうゆーの分かんないけど…必要だよ。大事だよ」
あたしには、そうとしか答えられなかった。大事だから。友達だから。だから必要だとしか…そんな言葉しか思い浮かばない。
…でもやっぱりというか、当然というか、進藤があたしのそんな言葉で納得するはずもなく、電話を通して向こう側からは吐き出すような大きな溜息が聞こえてきた。
『そうじゃないんだよなぁ。それじゃ足りないんだ、そんな想いじゃ』
「そ、そんな想いって…」
『それって俺じゃなくてもいい訳だろ?話を聞いてくれる奴なら誰でも良いって事だ』
「!、そんな事っ、」
『おまえがそんなだから俺は妥協したけど、でもそこまで来れたなら…これ以上ズルズルいくつもりは無いよ。ここからは俺の番だ』
「…は?いや、何の話、」
『おまえの中の全部が片付いたんだから、次は俺の番だって言ってんの。おまえにはさ、次は俺の事で悩んで貰わないと』
「は…?」