優しくないっ、優しさを感じない！

その時、「意味分かんない…」と、あたしは呟いていた。もうなんか会話全部通して意味分かんない。てゆーかもう意味分かんないとしか頭になくて、呟いた言葉も無意識のうちにこぼれていたもので、あたしはあたしの頭がいっぱいになってしまっていて…


『うん。そうやって俺の事でいっぱいになりなよ』


ーー響いてきた声に、あたしは返事をする事が出来なかった。


『俺の事で悩んで悩んで…また、俺の所に戻って来なよ』


でもその声がーーやけに満足気な声色をしていた事だけは、意識の端で分かっていた。