優しくないっ、優しさを感じない!
4.

急な展開についていけない






『俺の事で悩んで悩んで…また、俺の所に戻って来なよ』


そう言って進藤は電話を切った。

もう、何が何だかさっぱり分からなかった。そんな分からないままのあたしは、もちろん当然のごとく訳分かんないまま次の日を迎えて、モヤモヤを抱いたまま一日を過ごす事になる。


レナちゃんの事もコースケの事もなんとかなったのに…なんでこんな事になっちゃったんだろう。


俺の事で悩めってどういう事?

進藤の役割が無くなったって、そうやって言ってた。あたしがもう悩んで無いから、だから進藤と話すような事も無くなったって。


…進藤と、話す事。

進藤とは会うたび、確かにいつもあたしの悩みとかそんな話ばっかりだった。でもそれは仕方ない、そんな時にしか会ってないんだから。そんな時にしか進藤は現れなかったんだから。電話だって助けが必要な時かけて来いみたいな、そういう感じだったし…意味の無い事を嫌ってるのは進藤だ。意味がなきゃ相手してくれないのは進藤の方だ。そうだ、だからこうなったんじゃないか。

…てことは、だ。


「やっぱり進藤が悪いんじゃん」

< 224 / 310 >

この作品をシェア

pagetop