優しくないっ、優しさを感じない!


なんで…なんでよ。


前に進藤は言ってた。あたしの事を嫌ってないって。それなのに…今の進藤はあたしの事を嫌ってる。


やっぱり、嫌ってる。


嫌われたって分かったら、きっともっと焦って取り乱して必死になるんだと思ってた、この間の嫌われたかもと思った時みたいに。進藤に縋り付いて理由を問い質して、むしろ今回は逆ギレ紛いな事でもしでかすんじゃないかと、そうだとばっかり思ってて…


……それなのに。


「ヒロちゃん、もう終わったよ」

「……」

「…ヒロちゃん?」

「……」


…なんだろう。なんかもう…嫌だ。


「ヒロちゃん…?」


もう嫌だ、辛い。怖い。


「どうしよう…どうしよう、あたし」

「?」

「進藤に、嫌われた…っ」


もう怖くて、ここから動けない。あたしの中で何かが壊れて無くなっちゃったみたいな、そのせいで全部の機能が止まっちゃったみたいな、だからもう嫌われた事実しか残ってないみたいな…そんな状況にあたしは、ただただ混乱する事しか出来なかった。

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