優しくないっ、優しさを感じない!
そう言い切ったのは、あたしをジッと見つめるレナちゃん。その瞳には今までに見た事の無いくらいに濃い、力強く自信に満ち溢れたそんな色を宿していて…
「…ぜっ、たい…?」
その言葉には正にピッタリな、そんな光があたしからも見て取れた。
だから思わず頷きそうになって、でも違うよちょっと待ってと引き止めるあたしが居て、その声でハッと我に返って…
「で、でも違ったんだよ、今までと違って、すごく、すごく冷たくて…怖い、目であたしを見て…」
「きっと何か理由があるはずだよ。タケル君がそんな事するはずがないよ」
「…いや、レナちゃんとか他の子ならまだしも、あたしだもん…あたしにだと思ったら余計に真実味が増すっていうか、それこそ当たり前な気がしてくる…、」
「違うよ、ヒロちゃんだからだよ。ヒロちゃんにだから、だよ」
「……え…あたし…?」
そんな馬鹿なと、あたしはレナちゃんに疑いの眼差し…というかむしろ、そんな慰めはいらないんだよ分かってるんだよ、くらいの気持ちを視線で送った。するとレナちゃんは「あーもう!」と、彼女らしからぬ荒げた声を上げる。
「なんでそんな風に思わせる事しか出来ないんだろう!あの人はいつもそう!」
「え、あ、あの人?」
「タケル君だよ!昔からタケル君は違う事しかしない!臆病で卑怯者!」
「え…え?え⁇ 」