優しくないっ、優しさを感じない!
そう、昼休みの突撃訪問。それが奴の最終手段で、毎日…といってもまだ3日目だけど、ここ数日。つまり厳密に言えば3日間。あたしは昼休みになるとやって来る奴に会わないように図書室に逃げ込んでいて、レナちゃんはそんなあたしに付き合ってくれていると、そういう訳なのだ。
まだ奴にこの場所は見つかっていない。でも見つかるのも時間の問題かもしれない。
「はぁ…どうすればいいんだろう」
もう溜息ばかりだ。自分でもさっぱりだ。
「なんで?ヒロちゃんも好きなんだよね?」
首を傾げて小声で尋ねてくるレナちゃんに、あたしは渋りながらも「…うん」と、頷いてみせる。そうだと。あたしも進藤が好きなんだと。それは確かに間違ってはいない。好きなのは間違いないってあたしも分かってる。
するとレナちゃんは、“だったら何の問題があるの?”そう言いたげな表情であたしを見つめた。…うん、まぁそうだろうなぁ。他の人からしたらそうなるよなぁ。
「…だって、信じられないんだもん」
「タケル君が?」
「てゆーか、言ってる事が」
「ヒロちゃんの事が好きだって?」
「……」
それはもう、改めて考えるまでも無くあり得ない話だ。