優しくないっ、優しさを感じない!
ポツリと呟きながら、あたしは電気を消して布団に潜り込んだ。
なんだか今日は疲れたなぁ…あぁ、明日レナちゃんにも聞かれるよね、どうしようかなぁ。うーん…なんて言えば…
…なんて、その時あたしは考え事をしていたはずだった。それなのにそのまま目を閉じると、いつも通りにいつのまにか眠りの世界へと旅立っていて…またいつも通りに朝がやって来るのだった。
「おはようヒロちゃん、昨日どうだった?」
登校すると、あたしより先に席に着いていたレナちゃんが目をキラキラさせてあたしに尋ねてくる。そのキラキラした純粋な瞳が…あたしにはとっても申し訳ない。
「おはよう、実はその…ダメになっちゃってさ…」
「え?」
「なんかもうガッカリだよね。でもさ、だから今度お詫びに奢ってもらう約束した!やったね!」
そして、だから大丈夫!という気持ちを込めて、あたしはニンマリと笑ってみせた。…何故かというとですね、やっぱりレナちゃんがとっても残念そうな顔になってしまったからです。正直、現時点ではあたしよりガッカリしているように見えなくもないレベル。