優しくないっ、優しさを感じない!
なんでだろう?
なんで中村 コウスケだけ違うんだろう…
……いや、なんでじゃないか。
中村 コウスケは、あたしにとって違うんだ。
中村 コウスケはあたしにとって他の人とは違う、あたしにとって特別で、あたしにとってそれは…つまりこれって、もしかしてーー
あたしはうん、と大きく頷いた。
ーーそうか、これは恋だ!
そうと分かれば告白だ!と、それからはその目標に向かって全力で取り組んだ学校生活。
連絡先を交換して挨拶するようになって、友達を含めて遊ぶようになる頃にはコースケ、ヒロって呼び合うようになって、それと同時期に進路を決めて同じ高校に密かに通う事が決定して大喜びで、それで迎えた…卒業式。
“好きな人には第二ボタンを貰うんだよ”
そう友達が教えてくれたから、あたしは寄せ書きを書いて貰うついでを装って言ってみた。第二ボタンを下さいと。