優しくないっ、優しさを感じない!
「そっか。あぁ、そうだ昨日だよ昨日!待ってたんだって?ごめんな本当、結構待たせちゃったよな…」
「え?あ、うん。まぁ待ったっちゃ待ったんだけど…なんで?なんで知ってるの?」
驚いたあたしは昨日の夜のメールのやり取りを思い浮かべてみる…けど、やっぱり身に覚えが無い。
昨晩、謝罪と共にどれくらい待ったのかをコースケから尋ねられたあたしはもちろん、“ずっと待ってたのに!”…なーんて言えるはずもなく、結局“すぐ帰ったから大丈夫だよー”なんて、それはもう帰って当たり前だよねくらいのていで答えたのだ。
だって、冷静に考えてずっと待ってられても気持ち悪いよねと、そんな事実に気づいてしまったんだもん。そしたら絶対隠したいじゃん。
それなのに…なんで?
一体なんでバレたんだろう。
「あぁ、進藤が教えてくれてさ。昨日伝言頼んだだろ?だから今日その話になって…」
…そうか、普通にそれしかなかった。
「……アイツか」
「ん?」
「あ、いや。なんでもない」
…アイツめ…余計な事を!
「だからさ、もうほんと悪い事したなと思って。ほんとごめんな」
「いや、いいってほんと」
「でも…」
「ほんといいんだよ、うん。だって奢ってもらうし。逆に特した気分」
「おい」
「なーんて、それは半分冗談として…てか、部活だよね?時間いいの?」