優しくないっ、優しさを感じない!


「そっか。あぁ、そうだ昨日だよ昨日!待ってたんだって?ごめんな本当、結構待たせちゃったよな…」

「え?あ、うん。まぁ待ったっちゃ待ったんだけど…なんで?なんで知ってるの?」


驚いたあたしは昨日の夜のメールのやり取りを思い浮かべてみる…けど、やっぱり身に覚えが無い。


昨晩、謝罪と共にどれくらい待ったのかをコースケから尋ねられたあたしはもちろん、“ずっと待ってたのに!”…なーんて言えるはずもなく、結局“すぐ帰ったから大丈夫だよー”なんて、それはもう帰って当たり前だよねくらいのていで答えたのだ。

だって、冷静に考えてずっと待ってられても気持ち悪いよねと、そんな事実に気づいてしまったんだもん。そしたら絶対隠したいじゃん。

それなのに…なんで?

一体なんでバレたんだろう。


「あぁ、進藤が教えてくれてさ。昨日伝言頼んだだろ?だから今日その話になって…」


…そうか、普通にそれしかなかった。


「……アイツか」

「ん?」

「あ、いや。なんでもない」


…アイツめ…余計な事を!


「だからさ、もうほんと悪い事したなと思って。ほんとごめんな」

「いや、いいってほんと」

「でも…」

「ほんといいんだよ、うん。だって奢ってもらうし。逆に特した気分」

「おい」

「なーんて、それは半分冗談として…てか、部活だよね?時間いいの?」


< 43 / 310 >

この作品をシェア

pagetop