優しくないっ、優しさを感じない!
…つい、自分で放ったその強烈な一言にやられてしまった。
常日頃から自分自身に思っている事とはいえ、こんな所でこんな奴相手に使うのは、流石にそれは違うと思う…てか、真顔でそんな答え方されても…
「…まぁいい、いいよ別に。良かったよあんたがさっきの子に酷い事しなくてさ!」
そう、とりあえずはそういう事だ。あたしはもういい、諦めた。それだけは良かった事だ本当。
「優しいだけで終わる事もあるんだね。いやー良かった、本当に優しい対応だった!」
「……」
「これならあの噂も仕方ないなって感じ。何も知らなかったらあたしだっておんなじ事言ってたね!すごい優しくてさ〜なんて。どうせならいつもそうすればいいのに」
「……」
「そしたら騙される被害者も少なくなる訳だし…って、あれ?てかあれってやっぱ優しくしてたんだよね?そういえば昨日は親切がどうとか言ってたけど…何?あたしには何かよく分かんなかったんだけどどうなの?でも優しかったよねあれ、絶対」
「…本当にさ、よくそれだけ次々思いつくな」
「え?あぁ、ありがとう」
「……」
「え、何?」
「……はぁ」