優しくないっ、優しさを感じない!


何故かあたしの答えに溜息を付いた進藤。思わず首を傾げるあたしに進藤は、「バカのボケにはついてけないって事だよ」なんて呆れたように呟いたりする…って、


「それだよそれ!それ酷い事だから!」

「酷いも何も本当の事だろ。嫌なら言われないようになれ」

「うわ出た、本当の事なら言ってもいいだろ的な奴!そうやって言いますけどね、これはもう親に貰った性格と親に貰った脳みそが引き起こす悲劇だからね。生まれた時から決まってるから!仕方ない事だから!」

「俺はそんな風に思われてるおまえの親に同情するけどね。まぁ、バカは死ぬまで直らないっていうし、その受け止め方も一つなんだろうけど」

「!、ほんとに、あんたはああ言えばこう言う…!」


…昨日はまだ、マシだったのかもしれない。

今日のコイツは、更に鋭い!刺々しい!


「…優しくないっ、あんたには優しさを感じない!」


我慢も限界だとばかりに、あたしは吠えるように訴えた。すると、ずっと呆れたような表情を保っていた奴が…その表情を変える。…笑った。笑ってみせた。それは物凄くあたしに不快を感じさせる笑顔で、それを浮かべた後、奴はこう言ったのだ。


「…つまり何?もしかしておまえ、俺に優しくされたい訳?」



………


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