優しくないっ、優しさを感じない!


当たり前に普通のはずのソレが、あたしにとっては…奴にとっては、普通でも当たり前でも無いはずだった。昨日までを思い返せば、そうなはずなのだ。

でも、あたしの答えに進藤は「そう?」なんて言うと、何事も無かったかのように校舎内へと入って行く。…変わらない、それは昨日と同じアイツ。いつも通りの…いや、いつもという程親しくないから、なんというか、普段のというか…まぁそんな変わらない奴が、何故かまたあたしには引っかかる。

いつも通りもそうじゃないのも、全部が全部、何故か引っかかるんだ。そしてそんな時頭の中で聞こえてきたのは、優しさと親切の違いって何?という前の奴からの問いかけ。


アイツの事は分からない。てか、分からなくても良いと思う。そこまで親しい訳でも無いし、親しくする必要も無いし…だけど、変なんだ。どうしても気になるんだ、奴の想いが、思考が、行動が。

本当は薄っぺらかった奴の外身。なのに底が見えない、奴の中身。

それがきっと、あたしにはすごく気になるんだろう。あたしとはまるで違う、奴の在り方が。だからあたしは、そんな奴の言動にイライラやモヤモヤが残ってしまう。…つまり、なんて言うか、一言で言っちゃうと、


アイツが何考えてんのか、さっぱり分かんない。


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