優しくないっ、優しさを感じない!
するとあたしは、なんだか顔に力が入る…というか、力が集まるというか…っていう感じの、なんかむむむ、ぐぐぐ、みたいな感じになってきて…
「…おい、ヒロ」
「……何?」
「おまえ、未だかつて無いくらい酷い顔だぞ?」
「……」
結局、それもまた進藤この野郎に繋がるのである。
***
「ねぇ、レナちゃん。進藤の事知ってるんだよね?」
「えっ、…し、知ってるけど…どうしたの?」
放課後の帰り道。塾が無いレナちゃんと一緒に電車に乗っているあたしは、今日一日どーうしても気になって仕方ない事をレナちゃんに聞いてみる事にした。
「うん。アイツの事さ、何て聞いてる?」
「え?」
「ほら、噂だよ噂。レナちゃんも知ってるでしょ?」
「あぁ…えっと、優しいとかそういうのだよね。…進藤君の」
「そう、そうだよね、そうなんだよ。じゃあ後は?他には聞いてる?」
「え、他…?」