優しくないっ、優しさを感じない!


…何なんだろう、なんでアイツの事ばっかり。


どうやらあたしの頭は一つの事しか出来ないらしいって事に、この世に生まれて16年目の今現在この場所で気がついてしまった。


可笑しい、実に可笑しいのだ。


前までのあたしはコースケの事で頭が一杯で、コースケの事ばっかり…というかむしろ、コースケの事しか考えてなかった。てか他の人も物も目にすら入らなかったと思う。…まぁでも、今だってそれは変わらない。コースケが好きだって事は根本的には変わってない。だからあたしは今日の放課後もここにいて、バカみたいにグラウンドのコースケを眺めてる。…それなのに。


「…〜〜ダメだ!どうしても気になる‼︎ 」


今日はどんなに集中しようとしても、どんなにどっかへ放り出そうとしても、何故かどーうしてもやってきてしまうのだ。


「優しさと親切って何⁈ レナちゃんは昨日何が言いたかったの⁈ 」


今日一日、ちゃんと聞けなかったあの言葉の意味を、どことなーくレナちゃんに尋ねてみたりしたけれど、彼女に上手いことはぐらかされてしまっていたりする。それにきっと何か言い辛い理由でもあるのかなぁなんて思ってしまうと、もうそこからはなかなか言い出し辛くなってしまったりして…


「あぁーもうっ!余計に気になって仕方ないじゃんか!なんで皆してあたしに謎を残すの⁈ これじゃあゆっくりコースケに浸る暇もない‼︎ 」



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