優しくないっ、優しさを感じない!


「…何の、意味…?」


それって、何に対しての言葉?


「あたしの気持ちには意味が無いって、そうゆー事を言ってる訳…?」


…進藤には、色々失礼な事も酷い事も言われてきた。それでもなんだかんだで“はいはいそうですね”なんて、今まで…今日この瞬間までは、そんな気持ちで聞き流すことが出来ていた。…だけど今回、この事に関しては今までのようにはいかない。

いけない。


「あたしがコースケを好きでいる事が無意味だって言いたいの?振られても好きな意味が?ボタンを大事にしてる意味が?あの時帰れないで待ってた意味が?それなのに友達だとか言ってる意味が?全部、意味が無いんだって言いたいの?」


ジワジワと、こみ上げてくる衝動。ジリジリと、近づく限界。火がゆらゆらと、大きく、大きくなっていく。


ーーダメだ、我慢しろ、我慢しろ。


必死に堪える熱い何か。色々な感情が混ざり合って、物凄く重い存在感を示すその何かは、もうすぐそこまで迫っている。それなのに…口が、止まらない。


「振られた時にそれを受け入れたのに、それなのにまだこんな事言ってるあたしの無意味さをバカにしてるんだ。そんなしれっとした顔で、他人事だからって…っ」

「だったら、何?」


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