優しくないっ、優しさを感じない!
ーーあぁ、やっぱり。
あんたはそういう奴だ。
「…だったら、だったらそんな事言うなっ‼︎ 」
その瞬間、あたしの中でこみ上げていたものは限界をこえた。そしてそれらはとめどなく、次から次へと溢れ出してくる。
「他人事なんだから“はいそうですか”でいればいいのに、なのになんでそんな事言うの⁈ 何の意味があるって、お互い分かってんじゃんそんなの意味なんて無いって!意味なんて分かる訳ない!だってそれが感情じゃん!」
「……」
「あたしだって訳分かんないよ!好きじゃなかったらって思うよ!でも好きなんだもん、受け入れるしかないじゃん!嫌いになんてなれないじゃん!なんで分かんないかな!」
「……」
「あたしだって嫌だよこんなあたし!無意味だって分かってるよ、でもしょうがないじゃんっ、しょうがないじゃんよ!今の状態からもし動いたってそんなの、どう転んだってコースケに迷惑かけるだけだもん、そんなのあたし、あたし…最低じゃん…っ」
それは、知っていたけど目を逸らしてきた事実。
…そうだ、あたしは迷惑かけるだけだ。
好きだからしょうがない。好きなんだもん、諦められない。でも…だからってあたしがそんな気持ちを前に出したら、あの時真っ直ぐ向き合ってくれて、変わらずに接してくれているコースケの優しさも努力も気遣いも全て、それこそ無意味にしてしまう。そんなの、あたしの気持ちはコースケにとっては迷惑なだけだ。