優しくないっ、優しさを感じない!
そしてそこで改めて示される、あたしの気持ちは無意味だという事。
あたしが好きでいても先に進めないんならそれは無意味。好きな相手の迷惑にしかならないんだから、嫌われる事しか出来ないんなら、そこにあること自体無意味。
あたしの気持ちは、無意味。
だとしたらそれは……本当は、諦めきる事が一番正しい道なのかもしれない。諦める事がコースケのために唯一、バカなあたしでも出来る事なのかもしれない。
「…あたしは、最低だ…」
分かってる、分かってるんだ。
そんなの、ずっと前から分かってた。今整理して、目の前に現れた現実に衝撃を受けている振りをしてるだけ。分かってたでしょ?って、心のどこかで思ってる。あたしは、分かってた。あたしの気持ちの無意味さも、あたし自身の最低さも、どうする事が一番なのかも。でも…それなのに。
「それでも…好きな気持ちが捨てられない…捨てられないんだよ」
なんでだろう。
なんでなんだろう。
「どうしてこんなに好きなんだろう。どうして好きなのに諦められないんだろう」
大好きなコースケのためなのに、大好きだから諦めたいのに、大好きだから諦められない。
大好きなんだ。
あの日の声も後ろ姿も、忘れられない。
あの日抱いた感情も、初めて経験した感覚も、その後どんどん大きくなっていった存在感も、あたしの事を思ってくれる優しさも、いつものバカなやり取りも、たまに見せる真剣な表情もーー
「コースケは、あたしの特別なんだ。だから…教えてよ」
あたしにはずっと分からなかった。でも…やっぱり好きだから。大好きだから。
「コースケを諦められる方法を、教えて」