優しくないっ、優しさを感じない!
2.
やる事なす事、全部無駄
「あっ、おっはよーコースケ!あと進藤!」
朝のホームルームが終わった後の廊下、トイレ帰りのあたしは二人を見かけて挨拶をした。
「おう、ヒロ!」
「おはよう」
すると返ってきたのは、ニッコリ笑ったコースケとニッコリ笑った進藤の挨拶。二人ともニッコニコだ。
…約一名、表面上では、と注意書きが必要ではあるけれど。
でもそれにあたしは気づかない振りをする。というか、それが当たり前に気にならなくなってきていたりした。
「なんか案外二人って良く居るんだね。仲良いんだ?」
「まぁな、知らないかもしれない奴の伝言を頼めて、頼まれてくれるような仲だよな!」
「…それってどうなの?」
コースケの言葉に、いまいち仲の良さ的な面でピンとこないあたしは、進藤の方へと目をやった。
「……」
うん。進藤も苦笑いだ。
するとそんな進藤に、「あれ?進藤?」なんて首を傾げて、そうだよな?そうだよな?なんて訴えかけるコースケは可愛い。それにあっさりと「そうかもね」なんて答える進藤は、いたって通常運行だった。