優しくないっ、優しさを感じない!


…ていうあたしのマニア心は置いといて。


「 そう。だからね、このボタンはあたしの宝物なんだよねー」


そう言ってポーチについているボタンをピンと指で弾いた。

このポーチにつけているボタンは、あの思い出の第二ボタン。いや、思い出で終わらせてなるものか!なんて決意が込められていたりもする訳だけど、まぁとりあえず思い出のボタンには違いない。

するとレナちゃんはボタンを弾くあたしを見て、「あっ、大事な物なんだからそんな事しちゃダメだよ!」なんて、まるで自分の物のようにあたしに注意した。

怒ってるような、心配してるような、困ってるような。あたしの事なのにそんな表情をして言ってくれるレナちゃんの真っ直ぐさに、ついあたしは笑ってしまう。レナちゃんのそんな所が本当に好き。レナちゃんは本当に可愛くてすごく優しい。


「そうだね、大事にしよう!優しくしよう!よしよしごめんね〜これからもよろしくね〜」

「…それはそれで…少し違うと思うよ?」


そしてあたしのボケに苦笑いを浮かべて困ってくれる、そんな優しいレナちゃんなのだ。


< 8 / 310 >

この作品をシェア

pagetop