優しくないっ、優しさを感じない!
そんなあたしの急な発言は、今度はレナちゃんが首を傾げる番にさせてしまったんだけど…でも申し訳ないことに、あたしにはもうそれが目に入らなかった。
…そうだ、そうだった。なんか恋愛マスターに移行していったせいですっかり忘れてた!そうだよねあたし、ずっとアイツの言った事で考えてて、それでレナちゃんに何かと聞いたりして、そう。だから何かと気にさせちゃって、だからその…そうそう、そうだよね!そんな事もあった!
…うん。でもまぁ…うん、でもね?
「レナちゃん、大丈夫だから」
「え?…え?そ、そうなの?」
「そう!だってどーでも良くなったんだ!」
「…うん?」
あたしの答えに首を傾げつつ何度もハテナを浮かべるレナちゃんは、きっと訳が分からなくて困ってるんだろう。てゆーかむしろ困惑してる…うん、でも大丈夫。大丈夫なんだよレナちゃん!
「もうナシナシ!あんな難しい事考えるのは無し!どうせあたしには無理だったんだから、もうこれでオッケー!」
ニーっと笑って、何でもない事だって強調するためにも話はここまで!と、あたしは黒板の方へと向き直った。
するとそんなあたしのハツラツとした振っ切れ様に、なんだか戸惑った様なレナちゃんだったけど…「…うん。それならいいんだけど、ね?」なんて、最後にはなんとか受け入れてくれたみたいだった。
うん、そうだ。もうオッケーなんだ。だってもうこんなにスッキリしてるから。
…でも、一体なんでだろう?