優しくないっ、優しさを感じない!
……口に出して、気がついた。
気がついてしまった。言ってしまった。
…や、ヤバイ。今あたし、何て言った?
今起きた、起こしてしまった大問題有りな現実があたしの中でかき乱す。すると同時にヒヤリとしていたはずの身体から、嫌な汗がダラダラと流れ出してきたりして…っ、
『青春っていったら…恋かな…』
わぁぁーーっ‼︎
もうなんだよあたし、何なんだよ!振られた相手にそれは無いだろ可笑しいだろ!頭可笑しいだろ!それは一番、
言っちゃいけないだろっ‼︎
「な、なんて〜、恋愛マスターが言ってたよ?」
「…は?恋愛マスター?」
「そ、そう!恋愛マスターなんだよね進藤は!最近そんな話をしてですね、だからその…せっ、積極的に!進藤に相談することをオススメしますっ‼︎ 」
「?、進藤に?相談?」
そうそうそう!と、よく理解出来てない様子のコースケに、ここぞとばかりに強く何度も頷いた。それはもう、正に首がもげるんじゃないかってくらいの勢いで。だってここだ、ここにつけ込むしかない!
だから、もうそうゆー事だから!進藤の事だから!だからあたしが言った事を忘れてくれ!なんて。
そして、つまり全部進藤!進藤が悪い!悪いのは進藤!…なんて。
無理矢理進藤に責任を押し付けて、兎に角あたしの発言を無かった事にしようと必死にもがき苦しんでいた…その時だった。
「え、何?ヒロ、好きな奴出来たのか?」
………へ?
好きな奴?