優しくないっ、優しさを感じない!


「……」


奴が居るのはこの間と同じ、レナちゃんの席。あたしの後ろの席。

あたしはそこに向かってドシドシと足を進めた。まるで地面を踏みしめるように、一歩一歩に想いを押しこめるように…というかもうなんか、訳分かんないけどそんな気分で。


「……」


そんな足は、いつものあたしの席に着いてピタリと止まった。進藤はこっちを見てる。じーっとなんだか、ずっとあたしの事を見てる。奴の様子を窺った訳じゃないけど、それだけはすっごい分かった。だって視線が突き刺さる。


「……」

「……」

「……座れば?」

「……」


奴の言葉に、あたしはガンッと椅子を引いて、ダンッと勢い良く座った。別にそうしようとした訳じゃない。歩く時と同様に何故か動き一つ一つに力が入って、あたしの中から勝手に出てくるのだ。…それなのに、


「……」


言葉だけが、なかなか出てこない。力の入った唇が蓋をして、開こうとしてくれない。


「……」

「……」


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