愛のかたち
指が震えて インターホンを押すことができない。


押すべきか 押さないべきか 私の心が迷っている。


私は真実を知るために ここに来た。


だけど あれほど真実を 知りたがっていたのに 私の心は 気弱になってしまっていた。

でも 押さなきゃ…
ここに来た意味がない…。

「お母さん…。」
私は 目を閉じて 深呼吸をして インターホンを押そうとすると 同時に 玄関の扉が開いた。


私は慌てて 壁に回り込み 姿を隠した。
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