世界の涙
意味がある争いならいいのか。



少年には難しいことはわからないけど、いつも考えるのはそんなこと。



「世界が泣いている……世界だって、こんなこと望んでない。誰も、望んでないはずなのに」



もう、涙はこぼれない。



ただ、家族と普通に暮らせることが幸せで、みんなが笑ってくれるのが嬉しくて。



そんな誰もが願い望むあたりまえの幸せすら、ぜいたくだったんだろうか。



少年は笑う。



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