マルカポーネの心配事
「じゃぁディスニーシ―。遊園地でもいい」

「遠いし面倒。お子ちゃまか?」
男に笑われ、由紀も笑うけどそれは悲しい笑い。

「……亮さんと、どこかに行きたい」
ボソッと言うと、やっと男が危機感を持ったのか由紀の顔を見る。

「俺は由紀といるのが楽しいの。由紀の顔を見て由紀の料理を食べて、由紀を抱く。それだけで幸せ」
乱暴に由紀の手を取り、自分の胸に抱いてキスをした。

由紀は丸め込まれ
そのまま……R指定。

由紀はいいのか?
それでいいのか?

お前、けっこうアウトドアじゃん。
ドッグランだって
俺も楽しいけど由紀だってけっこう喜んでたじゃん。

家の中に閉じこもる由紀は、陽の当たらない観葉植物みたいで、生きてはいるけど何かが足りなくて元気がない。

家の中で男と運動してるからいいのか?
そんなプレイでいいのか?
お前が動いてばっかりで
お前が奉仕してばっかりで

いいのか?
そんなエッチは楽しいか?

俺は尻尾を丸め
またゲージの中で息をひそめる。
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