マルカポーネの心配事
静寂が訪れる。
由紀の涙が俺の巻き毛に落ちる。
目を真っ赤にして
由紀は泣いていた。
俺は由紀の顔を舐め
しっかり前足で震える身体をちょんちょんと突っつく。
別れよう
別れてくれ。
もう俺は限界だ。
お前を泣かせる男なんて大嫌いだ。
俺が幸せにするから
頼む
目を覚まして
別れてくれ。
俺がずっと傍にいるから
ずっと抱いててやるから
俺の胸で泣いていいから。
俺がいるから
頼むから
別れろ。