マルカポーネの心配事
それから
由紀との生活が始まる。

俺はマルカポーネという名前を付けられ(チーズじゃんかよ)由紀と過ごす。

この二年の間
何人の男が部屋に入ったのだろう。

どいつもこいつも
チャラかったり
性格わるそーだったり
ダメな男が8割。

たまにはまともな男がいて、今度はいいじゃんって思っていると

「なーんか違うのよねー」と、スッキリしない顔で言い、自分から別れを切り出すという。

ダメ男が好きな、典型的なおバカ。

男にモテるけど
利用されて捨てられるおバカ。

犬より学習能力がない女。

そして
今日も号泣。

「ああーっ。もう恋なんてしないー。私にはマルちゃんだけー」

いつものセリフを叫ぶけど
このセリフはオオカミ少年。

「明日土曜日だから、ドックランに行こうか。きっと天気いいよ。いっぱい遊んで来ようね」

その誘いに俺は「わん」と返事して、まだ泣き続ける由紀に黙って抱かれていた。


ホントにさー
いい子なんだけどさー

男運の悪い女って
いるんだなぁ。






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