青い猫の鈴
朝、いつも通りに起きてテレビを見ながら食パンをかじる。
『次のコーナーは今日の運勢☆』
女性アナウンサーのニコニコとした画面から変わり、星座占いの画面になる。
占いに興味のない私は画面から目をそらし独特な匂いを漂わせているコーヒーに口づけた。
うん。
苦い…
『今日のラッキー星座は…双子座のあなた‼
とても不思議なことが起こるけど慌てないで、その出来事はあなたの運命をかえるかも‼』
あ、私双子じゃん…
興味なかったとは言え一位と聞くといつまでたっても嬉しいものだ。
まぁ、運命を変えるなんてそんな大げさなこと、簡単に言わない方がいい。
運命なんて変えられないのだから…
食パンを無理やり口に詰め込みコーヒーで流し込んだ。
さぁ、今日も元気にいきますか。
「いってきまーす」
返ってこないってわかっていても、返ってくるんじゃないかなって期待をいつまでも持ち続けていた。
そこがまだまだ子供なんだと思う。
近所の猫がニャーとなく。
君が「いってらっしゃい」って言ってくれるんだ。
「ありがとう、猫くん」
頭を撫でて学校へと足を進めた。