甘く、苦く [短編]
鼻歌を歌いながらコンビニに入るみのり。

俺は、その後ろを着いて歩く。


『俺、雑誌見るから。
買ってこいよ』


「はーいっ」


みのりの隣を歩くのが嫌で、俺は離れた。

みのりをチラっと見ると、嬉しそうにお菓子を見ていた。

…ガキみてぇで、可愛いな…。


『あっ…』


雑誌を閉じて、ドリンクのコーナーへ。

ある一つの牛乳を持って、ジっと見つめた。

これ、毎週月曜に、なぜか家にある。


「牛乳見てるの?」


『う、うるせぇよ』


何か言いたそうな顔をするみのりをか、軽くあしらった。

そして牛乳を棚に置き、みのりを見る。


「これ、一番カルシウム多いんだよ?
身長伸びるねっ」


『…知らねぇよ。
先、外出る』


それだけ言って、俺はコンビニから出た。

身長、伸びねぇかな。

なんて、空を見上げた。


『…冷てっ』


頬に何か当たるのを感じると、隣にみのりが居た。

プリンを持って。
< 4 / 7 >

この作品をシェア

pagetop