季節と君のとなりで
春
17年
いつもの春。
いつもの朝。
竹林 蕾(たけばやし つぼみ)は外に出た。
心地よい柔らかな春の空気。
少し冷たくて、でもどこか暖かい。
蕾は春が好きだ。
春生まれだからかも知れないけど。
17歳の誕生日の前日。
素敵な朝に、蕾の心は弾んだ。
「あ、おはよ」
「はよ」
となりの部屋から笠原 千夏(かさはら ちなつ)が出てきた。
名前だけ聞くと女子に思えるが男子。
同じアパートの隣の部屋に住んでいる。
いわゆる幼馴染みで、高校も同じ、クラスも同じ。
時間を合わせているわけではないけれど、ほぼ毎朝出会うので一緒に登校している。
〈一緒に登校する〉ことを何とも思わないくらいの古い仲だ。
いつもの朝。
竹林 蕾(たけばやし つぼみ)は外に出た。
心地よい柔らかな春の空気。
少し冷たくて、でもどこか暖かい。
蕾は春が好きだ。
春生まれだからかも知れないけど。
17歳の誕生日の前日。
素敵な朝に、蕾の心は弾んだ。
「あ、おはよ」
「はよ」
となりの部屋から笠原 千夏(かさはら ちなつ)が出てきた。
名前だけ聞くと女子に思えるが男子。
同じアパートの隣の部屋に住んでいる。
いわゆる幼馴染みで、高校も同じ、クラスも同じ。
時間を合わせているわけではないけれど、ほぼ毎朝出会うので一緒に登校している。
〈一緒に登校する〉ことを何とも思わないくらいの古い仲だ。