季節と君のとなりで


「あ、やば、時間だ」

優希がそう言い、碧と二人でそれぞれのクラスへ帰っていった。


「早く蕾ちゃんが恋心に気づけますように」

「ばっちり聞こえてまっせ、可恵さーん」

蕾は笑いながら言った。

ここまで何回も同じことを言われると、そろそろ腹も立たなくなってくる。


朝、家を出たときよりも暖かい風が窓から入ってきて、蕾の頬をなでる。

今日もまた、1日がはじまる。
< 5 / 16 >

この作品をシェア

pagetop