これが、あたしの彼氏です。【完】


「カバン、取って来たか?」

「……うん」

その後、あたしは渋々教室までカバンを取りに行き、校門前でわざわざ待っていた矢沢君の元まで駆け足で急いだ。


「じゃあ行くぞ」

「……何処に?」

「付いて来れば分かる」

「………わ、分かった」


そう言う矢沢君に小声で渋々承諾すると、矢沢君は何故かこっちにチラリとだけ視線を向けた。




それからというもの、矢沢君の後を付いて行き、連れて来られた場所は、


「か、帰っても、良いかな…」

「あ?生意気ほざくな」

「だ、だって、こういうところ苦手で…」

「…これだから地味女は」


あの不良のたまり場とも言える、ゲームセンターだった。


(………か、帰りたい。)



< 10 / 270 >

この作品をシェア

pagetop