これが、あたしの彼氏です。【完】
「カバン、取って来たか?」
「……うん」
その後、あたしは渋々教室までカバンを取りに行き、校門前でわざわざ待っていた矢沢君の元まで駆け足で急いだ。
「じゃあ行くぞ」
「……何処に?」
「付いて来れば分かる」
「………わ、分かった」
そう言う矢沢君に小声で渋々承諾すると、矢沢君は何故かこっちにチラリとだけ視線を向けた。
それからというもの、矢沢君の後を付いて行き、連れて来られた場所は、
「か、帰っても、良いかな…」
「あ?生意気ほざくな」
「だ、だって、こういうところ苦手で…」
「…これだから地味女は」
あの不良のたまり場とも言える、ゲームセンターだった。
(………か、帰りたい。)