これが、あたしの彼氏です。【完】
「…えっと、」
「どうなの?」
「………」
「聞いてんだけど」
どうしよう、凄く怖い。こんなこと初めてだし、付き合ってるだなんてこっちが認めてるわけでもないのにそんな事言える訳もない。
それに、もし付き合ってるなんて口走ってしまったら、あたしはきっとこの人達にボコボコにされるのがどうせオチだろう。
「……その、」
「付き合ってんの?」
「………」
何て言えばいいのか分からず、あたしが口をギュッと閉じたその時―――、
―――――ガラっ
いきなり、教室の扉が勢いよく開いた。
「―――心、」
一瞬、クラス全体がシーンと静まり返った。
あたしに問答無用で質問して来たギャル達も教室の前で立っている人物に気付くと、あたしの前からそそくさと逃げるように立ち去って行ってしまった。