これが、あたしの彼氏です。【完】
その後、午後の授業が終わり、あっという間に放課後を迎えた。
「じゃああたし部活行ってくるから、後でおいでね」
「うん。分かった」
教室でバイバイと手を振って、そこで由希とは別れた。丁度いい時間になったらサッカー部の場所まで行こうと決めて、あたしは暇つぶしにポケットに入っていた携帯を取りだした。
「…はあ」
……矢沢君は、もう帰っただろうか。なんて、そんなどうでも良い事を考えながら、あたしはひたすら時間が過ぎて行くのを待った。
それから何とか暇な時間を過ごし、丁度部活が終わるであろう時間に運動場へと向かった。運動場をグルリと見渡すと、一番奥で汗水流して頑張っているサッカー部の姿が目に入って来る。
マネージャーの由希の姿は見つける事が出来なかったけれど、その変わりにサッカー部で頑張っている、あの久瀬先輩の姿を見つけることは出来た。
「うわぁ…、凄い」
やっぱり久瀬先輩はかっこいいなあ。なんて思いながら、あたしは楽しそうにボールを追いかける久瀬先輩を、うっとりとした目でずっと見つめた。
大好きな久瀬先輩を見て、心臓をドクドクと大きく震わせていると――、
「あれ、東雲さん居るじゃん、こんなところでなにしてるのー?」
「………!」
今日の昼休み、あたしに声を掛けて来たあの同じクラスのギャル達が、ニヤニヤとした顔つきで、スタスタとこっちに足を進めてきた。