これが、あたしの彼氏です。【完】
「―――――ん、」
冷たい風がそっと通り抜けて、その違和感にうっすらと目を覚ますと辺りは既に薄暗くなりかけていた。
「…………痛っ」
目を覚まして上半身を起こし上げると、体のあちこちに電撃みたいな痛みが走る。
あたしは不意についさっきまでの事を思い出し、嫌でも体がゾクリと震えた。
「……」
ギャル女に呼び出されかと思えば、あたしは此処で集団リンチまがいな事をされた。ズキズキと痛み続けるこの情けない体が、何よりの証拠だ。
「………うっ」
涙が出た。ポタリポタリと地面に落ちて、辛いとか痛いとか苦しいとか、そういうもの全てをひっくるめて涙が零れた。
けれどそんな涙をすぐにグッと堪えて、あたしはズキズキと痛み続ける足に思いっきりチカラを込めて立ち上がった。
「…痛っ」
それでも痛みだす足に、あたしは一瞬バランスを崩す。その後も何度か同じことを繰り返して、あたしは足を引きずりながらもゆっくりゆっくりと校門へと足を進めた。