これが、あたしの彼氏です。【完】
「はあ……」
あたしは何度も小さな溜め息を付いて、その日一日ボーっとした日々を過ごした。
――――それからの三日後。
土日を挟んだ事もあって、傷もだんだんとマシになって来ていた。まだ包帯やガーゼが取れないのは手首のみといった具合だ。
「心ちゃん、明日は学校行きなさいね」
「え。あ、うん」
不意にお母さんにそう言われ、あたしは少し怖気そうになりながらもコクンと小さく頷いた。
その後、夜ご飯を食べ終わり食器を片づけて部屋へ向かうと、不意にベッドの上に置いていた携帯が静かに鳴り響いた。
「…………」
あたしはそれにピクっと体が動いて、そっと携帯を確認する。受信ボックスを開けた携帯の画面には、あの矢沢君の名前が表示されてあった。
「や、矢沢君?」
嘘。何だろう。まさかリンチされた事がバレたとか、なんてあたしはそんな事を思いながら、恐る恐るメールの本文に目を向ける。
けれど、肝心のメールの本文には――――、
"大丈夫か"
たった一文。それだけしか書かれていなかった。