これが、あたしの彼氏です。【完】
このメールがどういう意味を表しているのかは分からなかったけど、あたしは一応「うん。大丈夫」とそれだけ本文に書いて矢沢君に返信した。するとその数分後、またあたしの携帯が鳴る。
"だったら、学校来い。"
そのメールを見た瞬間、不意に心臓の奥がドキリとした。
「……矢沢君、あたしが学校休んでる事知ってたんだ」
そんな独り言をポツリと吐き捨てて、あたしは相変わらず簡素な矢沢君の文章に「明日は行けると思う」とそれだけ返しておいた。
あたしはその後、矢沢君のメールに返事を返す事はなく明日の事をうんぬんと考えながら、長いお風呂に入って眠りについた。
「心ちゃーん。そろそろ起きないと遅刻するわよー」
その次の日、不意にお母さんの大きい声が耳に入って、あたしは瞬時に目を覚ました。そのまま上半身を起き上がらせ、時間を確認する。
「………7時過ぎ…」
学校を休んでいた事もあり、いつもの時間より大分オーバーしている。
「……急がなきゃ」
モヤモヤとする胸を何とか落ち着かせながら、あたしはバタバタとリビングへと降りて行った。