これが、あたしの彼氏です。【完】
「ちょっと!さっきから丸聞こえなんだけど!言いたい事あるなら面と向かって堂々と言えば!?」
「…ゆ、由希」
次々と飛び交う言葉に唇をギュッと噛み締めていると、不意にあたしの横に居た由希が大きな声で目の前の女子たちに怒鳴り散らした。
「な、何よー」
「矢沢君と付き合ってるからいけないんじゃない」
「接点持ってなかったらこんなことにはなってないじゃん」
そういうクラスメイトの女子たちは、由希の覇気に少し後ずさりしながらもあたし達にそう言い返して来た。
「………」
(……あたしが、矢沢君と付き合ってるから、か)
「心、あんなの気にする事ないよ。ただのヤキモチでしかないんだから」
「……う、うん」
「ほら、ちゃんと学校来たんだから前向きなさい!」
「うん、…ありがと。由希」
「良いって」
そう言って笑う由希は本当に心強くて、あたしが学校に来れているのも由希のおかげなんだろうなと改めて実感した。
その後、いつもの時間に担任がやって来て、あっという間に授業が始まった。