これが、あたしの彼氏です。【完】
それからの数時間後、4時間目のチャイムが鳴り響いてお昼休みを迎える。
「由希、お昼…――――」
「しーののーめさん!」
「………っ!」
いきなり掛けられた声に、背筋が一瞬ゾクリとした。あたしが恐る恐る後ろへ振り返ると、
「ちょっと、話あるんだけど良いかなあ?」
あの日、あたしを痛い目に合わせた同じクラスのギャル軍団が、あたしの目の前に堂々と立っていた。
「ちょっと!またあんたたちなの!?いい加減やめなよ、しつこいわよ!」
「はぁ?部外者は黙っててよー」
あたしの目の前に来てそう言った由希は、ギャル女のその言葉にキッと鋭い視線を向けた。
「い、良いよ、由希。あたし、行ってくるから…」
「でも、心…」
「…大丈夫だよ」
心配そうな声でそう言った由希にあたしは不安ながらもそう返して、ギャル女の方にゆっくりと向き直った。本当は体が震えて、心臓だってドクドクと震えている。
「じゃあ、東雲さん?行こっか」
そう言ったギャル女は一瞬ニヤリとあたしに笑みを零した。