これが、あたしの彼氏です。【完】


心臓をドクドクと言わせながら、ギャル女たちの後ろへ付いて行く。
その後、ひと気が少ない東館廊下へと連れて行かれてギャル女はそこで足をピタリと止めた。

恐怖にやられてあたしが顔を下へ俯けていると「東雲さん。何で今日呼んだか分かるー?」なんて不意にクスリと笑った楽しい口調でそう言われた。

「え、えっと…」

大体、予想は付いている。多分今日あたしが、気まずいながらも矢沢君と一緒に登校して来たからだろう。

「今日、シンと一緒に登校して来た事かと思ってる?」

「……っ」

バレている。早速予想を当てられて、あたしは体がゾクリと震えた。

「まあ、それもそうなんだけどねぇ。あれだけ痛い目見てまだ分かってないのも腹立つしー。だけど今日は相当鈍い東雲さんに良い事教えてあげようと思って」

「え…?」

「東雲さん、何でこんな事になってるか分かる?」

「え?…それは、あたしが、矢沢君と…」

「うん、まあそうだよねぇ。でもさあ、それってシンが居なかったら、こういう事には一切なってなかったってことだよねぇ?」
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