これが、あたしの彼氏です。【完】


「………」

「…………おい。何でかって、聞いてんだよ」

「………っ」

それ以上、問いかけて来ないで欲しい。こっちがもっと、辛くなってしまうから。

「いつまでも黙ってんな」

「……」

「おい、」

「………っ」

「心」

「……何でもない!何ともないから…!」

「……あ?」

「……あたし、大丈夫だし…」

「だったら、何でそんな泣きそうな顔してる」

「……っ、そんな事…っ」

「…あ?」

――――どうして矢沢君は、あたしの見抜かされたくないところまで、見抜かしてくるんだろう。
< 174 / 270 >

この作品をシェア

pagetop