これが、あたしの彼氏です。【完】
「あーあ、矢沢君行っちゃったね」
「でも、こっち向いたね」
「えーうん、まあそうだけどさぁ。矢沢君がこっち向いたのってどうせこのクラスに東雲さんが居るからでしょ?」
「あー、確かにそうかもね」
「それ考えると、何だか複雑だよねー」
そう言って、クスクスと笑い合うクラスメイト達。あたしの心臓は、確実にズキズキと疼いていた。
「心、早くお昼ご飯食べよ」
「あ、うん。そうだね」
そんなあたしの心境に気付いたのか目の前に座る由希が、優しい口調であたしにそう言ってきてくれた。
その後、時間は着々と進み、5時間目の社会と6時間目の化学を受けると、あっという間に放課後を迎えた。
「心、あたし今日部活ないから一緒に帰ろー」
「あ、うん。サッカー部、今日休みなの?」
「うん。顧問の関係でねー。サッカー部活動してたら久瀬先輩見に行ってた?」
「なっ、そう言う事言わなくて良いから!」
「何よ、照れちゃって」
「うるさいなぁ、もう」