これが、あたしの彼氏です。【完】
要らない事ばかりを言って来る由希にあたしは少し照れつつも、テキパキと帰る準備を始めた。
「心、置いてくよー」
「あ。ちょっと待って」
その後、小走りで何とか由希に追いついて靴箱へ向かうと、
「あれ?由希ちゃんと心ちゃん?」
「うお、本当だ!由希ちゃん今から帰るの?あ、心ちん久し振りだねー」
何とも言えないグッドタイミングで、あの久瀬先輩と鉢合わせしてしまった。それからずっと前にカラオケでお世話になった、あのチャラい速水秀斗先輩も。
「先輩方も今から帰るんですかー?」
「うん、今日は部活がないからね」
「そうですね。あたしと心も今から帰るところで、」
「ねねっ、心ちんと由希ちゃんさ、どうせなら今から一緒に帰らないっ?」
「えっ」
いきなりの速水先輩の呼び掛けに、あたし達は一瞬顔を見合わせる。
「心どうする?あたしは別に良いんだけど、心が困るならあたし断るよ?」
「いや、大丈夫だよ。久瀬先輩居るし断れないよ」
「はは、それもそうか。じゃあ一緒に帰る?」
「……うん」
その後、先輩二人に笑顔を絶やさない由希が「良いですよー」と明るく返して、そのまま久瀬先輩と速水先輩の二人と一緒に帰る事となった。