これが、あたしの彼氏です。【完】
「……あ、あたし、体だるいから……」
「ああ、知ってる。お前の部屋何処」
「え、あたしの部屋来るの?」
「あ?ああ」
「えっ、それはちょっと…」
「……何だ。別に死んだフナみたいな顔したお前なんて誰も襲わねぇよ」
「なっ!死んだフナ!?」
「……うるせぇな」
いきなりそう言って来た矢沢君につい大きな声でそう言い返すと、あたしは不意に体がフラッとよろめいてしまった。
「……大声出すからだ、馬鹿」
「……ご、ごめ…っ」
そんなよろめいてしまったあたしの体を、矢沢君がスッと素早く受け止める。
あたしはそんな矢沢君の腕からパッと離れて、「えっと、あたしの部屋はね」と話題を変え、ドクドクと鳴りやまない心臓を抑えるのに必死だった。