これが、あたしの彼氏です。【完】
「お前、熱何度あんだ」
「え?…あ、えっと。数時間前は…、39度1分だった……」
「あ?」
「でも今は計ってないから分からない」
「じゃあ今すぐ計れ」
「……あ、うん」
ベッドに入って横になるあたしを見下げながらそう言った矢沢君は、枕元に置いてあった体温計にスッと手を伸ばして、それをあたしに渡して来てくれた。
「……熱、上がってたらどうしよう…」
「知らねぇよ。自業自得だろ」
「…なっ、心配して来てくれたんじゃないの」
「誰が心配だなんて言った。お前が死にかけだって言うから来てやっただけだ」
「……何それ」
「そのまんまだ」
「………」
その数秒後、体温計がピピピと鳴ってあたしはそっと体温計に目を向けた。
「何度だ」
「……、えっと、39度4分…」
「あ?てめ、それ上がってんじゃねぇか」
「うん…。や、矢沢君が来たからかもしれない……」
「人の所為にしてんじゃねぇよ」