これが、あたしの彼氏です。【完】
それからの数十分後、あたしはいびつだけど可愛らしいうさぎ型のリンゴを味わいながら食べて、またベットに体を沈めた。
リンゴを食べ終わると何だかだんだんウトウトとして来て、不意に強烈な睡魔があたしを襲って来た。
薬が効いて来たのかなあなんて思いながら、あたしはチラリと矢沢君の方へと視線を向ける。
「矢沢君、あたし寝ちゃいそうなんだけど矢沢君どうする…?もう帰った方が……」
「あ?ああ。あともう少しだけ居る。お前は俺の事なんか考えてねぇでさっさと寝ろよ」
「え、あ、そう…?何かごめんね」
「別に謝らなくて良い。さっさと寝ろ」
「うん。じゃあ…、おやすみ」
「ああ、おやすみ」
あたしはその後、矢沢君が近くに居るのをうっすらと感じながら、ゆっくりと目を閉じた。